どうもコウヅです。
みなさんセコガ二(メガニ)というカニをご存知でしょうか。
セコガ二はあの有名な「ズワイガニ」のメスのカニなんです。
「メスでもズワイガニはズワイガニじゃん」っと思った方。全くもって正論です。
ただ、しっかり名前が分けられて売られているのにはちゃんとした理由があるのです。
セコガ二は小さい
ズワイガニを想像すると大きな甲羅に立派な長い脚が生えている姿が思い浮かぶと思います。
しかし、同じズワイガニでもメスであるセコガ二は同じ種類とは思えないほど小さいのです。
それはもう「矢口真里と中村昌也」の差どころの騒ぎでは無いです。(ネタが古い)
最大サイズで比較しても3分の1ほど。体積で言うと5分の1かそれ以上の差があります。
出典:魚屋が選ぶカニ通販
つまりセコガ二はオスのズワイガニに比べて食べられる部分が圧倒的に少ないのです。
ではセコガ二はどの部分を主に食べるのでしょうか。
セコガ二は内子
セコガにはオスのズワイガニと比較してあまりにも小さい為、ズワイガニの主な食用部分である「足」からはほとんど身が取れません。(まぁちょっとは取れますし味はちゃんとズワイガニ)
そんなセコガ二の食として重要な部分は「卵」です。
このメスならではの卵がセコガ二の大きな特徴であり、珍味として重宝される理由にもなります。
セコガ二の卵は2種類に分かれており、体の外側にくっついている「外子」と体の内側にある「内子」。
外子はプチプチとした触感が特徴的で、味気少ないため醤油などをつけて食べる事が多いです。
一方内子はねっとりとした触感で濃厚な旨味があり、そのまま食べても美味しいのですがカニ味噌との相性が抜群なので絡めて一緒に食べるのが通の食べ方です。
余談ですが、セコガ二にはなんと内子・外子の他に白子(精巣)もあるんです。
え、メスなのに!?なぜ?ってなりますよね。
実はセコガ二には交尾の際に受け取った精子を貯蔵する器官があり、産卵する度にそこから精子を取り出して受精させてるようなんです。
精子の使い回しとか…。そんなことできる生物いるんですね。
人間で考えると、、、いや、人間で考えるのはやめましょう。世のほとんどの男性が切なくなってしまいます。
セコガ二の漁期
セコガ二の漁期はオスのズワイガニの漁期(11月から3月)よりもさらに短く「11月と12月」の約2か月間だけなのです。
これは資源保護の観点から乱獲を防ぐために決められたそうです。
「資源保護の為ならある程度卵を産ませてから獲ればいいじゃないか」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、実は成熟したメスは一年中卵を持っているのです。
セコガ二は産卵した卵がふ化するまでずっとお腹に抱えているのですが、その期間がなんと約1年!(最初の産卵だと1年半)。
そしてふ化が終わるや否やその一週間以内に交尾・産卵を行いまた一年間ずっと卵をお腹に抱えて過ごすのです。
つまりセコガ二はいつ獲ってもほぼ卵を持っているので、資源保護の観点から見るといつ獲ろうが変わらないわけなんです。
まぁ強いて言えばふ化時期が2月頃なので、ふ化終わって次の産卵が始まった3月くらいに獲るのが一番資源保護になるんじゃないかなと思います。
セコガ二の値段
セコガ二は今でこそ珍味として有名になってきましたが、昔はただ同然で子供のおやつくらいの認識だったそうです。
現在では小さいものだと4~500円、大きなものだと2000円くらいの値段で取引されています。
地元の鮮魚店でも一匹500円で売られていましたね。
なのでオスのズワイガニと比較すると10倍近い差があるのです。やっぱりなんだかんだカニは「足」がメインですもんねぇ。
ちなみにオスのズワイガニは「松葉ガニ」や「越前ガニ」など産地によってブランド名称がありますが、セコガ二には「香箱ガニ」や「コッペガニ」など地方によって名称は色々ありますが、ブランド名称は無いようです。
なのでセコガ二はオスのズワイガニほど産地によっての値段の差は無いと言えるでしょう。
オスメスで名前が分けられてる理由
冒頭でお伝えしたように、ズワイガニのメスの事を特別「セコガ二」と名称を分けて呼ぶ理由は…
もうお気付きの方も多いかと思いますが、「大きさが全然違う・食べる部分が全然違う・値段が全然違う」という具合に、オスとメスでは食材という観点から「完全に別物」として売る必要があるからです。
漁師や市場の人にすればズワイガニのオスとセコガ二は全く違う海産物として扱った方が色々やりやすいのです。
なのであえて名称を変えてズワイガニとしてではなく、セコガ二というカニとして売りに出しています。
まぁここまでオスメスではっきり価値の差が分かれている生物も珍しいですよね。
セコガ二実食!
では実際にセコガ二を食べていこうと思います。こいつが今回買ったセコガ二です。
比較物が無く単体で映すと立派に見えますが手のひらサイズです。
比較物ありだとこんな感じ
本体の甲羅がちょうど赤貝と同じくらいの大きさですね。
こいつを蒸し器で10分ほど蒸します。
裏を向けると
鮮やかなオレンジの外子!これは期待できそう。
待ちに待ったセコガ二の実食!そのお味は…
まずは外子から。
ん~、、、セコガニの外子は正直言って食べにくいし不味かったです…。プチプチとみずみずしい食感も無くパサついており、卵を噛んでもほとんど味がしませんでした。
時期外れのものだったからでしょうか(3月)想像と全然違いちょっとがっかりでした。
内子はねっとりとした触感で旨味がつまっており美味しかったです! 味噌と絡めて食べると深い味わいがして日本酒のあてにピッタリだなと思いました。
さすがにズワイガニというだけあって足の身は絶品でした。しかし小さすぎて全部きれいに食べるのがとても面倒でした。
苦労して全ての足の身をほじくり出しても3口分くらいにしかならないんですもん(笑)時間に余裕があってちまちま食べるのが好きな人向けですね。
ちょっと下馬評と違って期待外れ感が否めないので、次は本場で漁期のものを食べていきたいと思います。
魚の便利帳記入
では24種類目を記入致します。※魚の便利帳300種全部食べようという設定です 。
あれだけ別物と言っておきながらズワイガニにサインしちゃいました(笑)
次回は「簡単!サビキで釣れた小鯖(サバ)の美味しい食べ方 ~簡単しめ鯖・竜田揚げ・骨せんべい~」です。お楽しみに~
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