コノシロ~旬・栄養素と捌き工程~

魚の便利帳食べつくす

どうも、コウヅです。
今回は釣れたら嫌がられるランキング上位の魚「コノシロ」について書こうと思います。


防波堤で釣りをしていると突然大物が掛かり、興奮とワクワクの激しいファイトを繰り広げてようやく釣り上げた時の「お前かーい」というがっかり感をみなさんも一度は味わった事と思います。

今日はそんなコノシロを掘り下げ、実は「がっかり魚」じゃないんですよという事実をお伝えしますので、是非最後までご覧ください!

釣ったコノシロの美味しい食べ方【3分でさばく】

コノシロの豆知識

みなさん出世魚という言葉はご存知でしょうか(舐めてる訳ではないですよ笑)大きさによって名前が変わる魚のことです。

代表的な魚で言うとブリ「ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ」や、スズキ「セイゴ→フッコ→スズキ」などがあります。出世というだけあって基本的には大きくなればなるほど高級魚として扱われ、キロ単価も上がっていきます。実はコノシロもサイズが大きくなるにつれて名前が変化する出世魚なのですが、、、

なんと小さければ小さいほど高級という「逆出世魚」(多分造語)なんです!コノシロは「シンコ→コハダ→ナカズミ→コノシロ」と名前が変化していきます。

あれ?一個聞いたことあるぞっていう名前ありますよね。そうなんです。光物の寿司ネタとして有名なあのコハダって実はコノシロと同じ魚だったのです。

ではなぜコノシロは寿司ネタとして出回らないのかというと、基本的にコハダは酢締めで食べるのですがコノシロサイズになると酢の染み込み方にムラができてしまい、部位によって締まりすぎたり全然染み込んでなかったりし、職人に敬遠されているからです。

また、コノシロサイズだと骨が強すぎて酢締めしても柔らかくなりきらない場合があるのです。こういった料理しにくさ、食べにくさと言った観点からコノシロは嫌われているだけであり、味はほとんど同じか下手したらコノシロの方が旨いくらいなのです。


ちょっと話が逸れましたが、コノシロとコハダの価値の差を考えると逆出世魚であることがわかると思います。どれくらい価値の差があるかと言うとコノシロはキロ単価500円程であるのに対しコハダはキロ単価1500円程と3倍近く値段が違います。

しかし、驚くべきは最も小さい「シンコ」の値段です。シンコは体長4~5cmほどの稚魚なのですが、キロ単価は驚愕の5万円程!コノシロの約100倍です!!高い時にはキロ単価8万円を超えたこともあったそうです。黒トリュフコピ・ルアク(世界一高いコーヒー豆)と同じくらいのキロ単価です…。

なぜこんなに高いのかと言うと、江戸時代から続く意地と誇りと見栄の江戸っ子精神が根付いているからだそうです。江戸っ子は昔から初物が好きで、他の人より一早く旬のものを食べて「初物食い」を自慢するのが流行ったのです。「女房を質に入れても初鰹を食べる」という江戸っ子の性質を表した言葉がありますが、シンコもまさにその性質に当てはまり高値で取引されているのです。

また、シンコは小さい魚であるため寿司ネタ状に捌くとかなり小さくなり、酢締めするのにも一つ一つ丁寧に作業しなければ締まり過ぎたり塩辛くなりすぎたりとなかなか味が定まらないデリケートな食材のようです。その為、寿司職人の腕次第でかなり味が変わるようです。

なので江戸前の寿司屋も意地と誇りをかけて他の店よりおいしいシンコを作ろうと、一貫に2,3枚は乗るであろう小さな食材に手間暇かけて全力で仕込むのです。

そういった江戸の粋な心が残っている食材がシンコなのです。お金持ちになって、見栄を張りたい相手ができた方は是非とも一度江戸前寿司でシンコを頼んでみてはいかがでしょうか。

旬と栄養素

は主に晩秋から冬で、11月2月最も美味しい時期とされています。この時期のコノシロは身にしっかり脂が乗ってとても美味しいです。

しかし、コノシロの幼魚であるコハダやシンコは同じ魚であるにも関わらず旬が違うのです!まずシンコに関しては最大サイズが約6cm以下の稚魚なので、旬がどうこう言う前にそもそも6月~8月までしか存在しないのです(産卵期は4月~5月)。

またコハダは所説あるようですが、脂の乗り具合で考えると~で、寿司ネタの旬として考えるなら初秋のようです。

栄養素としてはかなり万能な魚で、タンパク質・脂質共に豊富であり、尚且つビタミン・ミネラルも他の魚よりバランスよくたくさん含まれています。

小骨も食べる魚であるため、カルシウム量はメバルよりも2倍以上多く(メバルもかなりカルシウム量豊富な魚)、カルシウム吸収率を高めてくれるビタミンDも多く含んでいるので骨が弱い方には理想的な食べ物です。


他の魚類ではあまり見られない特徴として鉄分・銅の含有量がかなり高めです。鉄分は赤血球を構成するヘモグロビンの材料であり、銅はヘモグロビンの合成に必須の酵素であるセルロプラスミンという物質を作り出します。

これらを同時に摂取することによってヘモグロビン不足により引き起こされる鉄欠乏性貧血を予防できます。鉄欠乏性貧血は全身の倦怠感やめまい、耳鳴り、動悸、息切れなどを引き起こす病気で、なんと日本人女性では約25%も発症していると言われています。

きっとコノシロをがっかり魚だと思って捨てていた付けが回ってきたんでしょうね…。コノシロが栄養満点で美味しい魚であるという事実が広まればこの数値も改善されることでしょう!

そして貧血で悩まされている方にさらに朗報。なんとコノシロは鉄欠乏性貧血とは別の原因で発症する悪性貧血を予防するビタミンB12もたくさん含まれているのです。何という貧血キラーのコノシロ。

もうこれから貧血で苦しんでいる方に出会った際は「とりあえずコノシロ食っとけば?」って言うようにしましょう。

捌き工程(オリジナル酢漬け)

※一応断っておきますが、僕はめちゃめちゃ素人なので「捌き方教えます」という感じでは無く、「YouTubeを駆使して捌き方を見様見真似でやってみたらこんな感じになりました」という体験記的なものという認識で読み進めてもらえると幸いです。(ホントに上手くなるまでこれ毎回書こう。)

①まずはウロコ取りです。
コノシロのウロコは比較的小さいため包丁やペットボトルキャップで逆撫ですると取りやすいです。皮を引かずに食べる場合は念入りに隅々まで取りましょうね。
ウロコを取り終えた魚体はキレイに洗い、ヌメリとウロコを落としましょう。
②次に頭を落として内臓を取り出します。
魚の頭を落とすとき骨が固くてなかなか切断できない場合があります。そういった場合は骨の関節部分を探ってそこから切断すると包丁を傷付けず、簡単に落とすことができます。

そして肛門部分から包丁を浅く入れ、腹側に向かって切っていきます。この時できるだけ内臓を傷付けないようにお腹の身だけを切る事を意識してください。お腹が切り終えたら内臓を丁寧に取り出しましょう。内臓を取り出すのは手で構いません。普通に引っ張ったら取れますよ!内臓が入っていた部分はキレイに洗い流してください。この時背骨に血合いが付いているので、ブラシ(使い終わった歯ブラシとかでOK)でこするときれいに取れます。

なぜか魚反転。

③ではいよいよ三枚おろしを行います。
まずは背びれと尻びれのちょっと内側あたりの皮を切って包丁を入れるガイドラインを作ります。

ガイドライを入れた所から包丁をまな板と並行よりちょっと立てる感じで切っていきます。この時中骨に当たってカリカリ音がしているとかなり上手に卸せています。
背中側も腹側も中骨まで包丁が到達すると、身と中骨を切り離します。この時大きな魚だと腹骨と中骨の接合部分がけっこう固いので、、、頑張って切断してください笑 軍手をはめたり尻尾の部分にタオルを巻いて滑りにくくするとやりやすいですよ!

切断する時固いとこです。

半身がおろし終えると、逆側も同じようにしておろしていきます 。片身おろしている分厚みが無いので、手がまな板に当たってやりにくい!と感じる方もいらっしゃると思います。そういった場合はまな板の端っこに身を置いておろすとまな板の厚み分、身が浮いている状態になるのでおろしやすいですよ!

これで三枚おろしは完成です。 今回はけっこう上手くいきました!85点くらいかな。
④続いて腹骨を剝いていきます。腹骨を剝くときは一旦腹骨と血合い骨の接合部を断ち切っていかなければなりません。(ちょっとだけ力入れます。)

接合部を断ち切ったら、腹骨に沿ってできるだけ薄ーく身から腹骨を剝き取ります。多分ここが魚をおろす工程で一番難しいです。ハラミが薄かったり骨がかなり入り込んでる場合は思い切って切り取っちゃってもいいと思います。コノシロは体に対して腹身部分が大きいので、ここを雑にすると食べる部分が大幅に減ってしまいます。

大幅に減ってしまいました。
④次は血合い骨を除去していきます。骨抜きのピンセットなどで一つ一つ抜いていくのもありなのですが、めんどうなので今回も身を割って取り除いていきます。
コハダサイズだと血合い骨を取らずに食べることが多いようです。

血合い骨を除去すると、普通の魚だと全く骨の入っていない身が完成するはずなのですが、コノシロはまだいろんなとこに小骨が存在しています。嫌われる所以ゆえんですね。
⑤次に皮を引いていきます。皮引きの際は端から2cmくらいに皮を切断しない程度の切れ込みを入れます。

そのまま刃を身のたくさん残っている方に向け、包丁をまな板とほぼ平行に傾けて皮から身を剥がすように削いでいきます。この時、包丁を滑らすと同時に端から2cmの部分をもって包丁の刃と反対方向に引っ張ると上手く皮を引くことができます!

皮と身の間には旨味のある脂がたくさんあるので上手くなったら皮目のギリギリを責めましょう。目安としては銀色の部分がたくさん残っていると上手く引けたと思っています。(魚による)
⑥食べやすいよう一口サイズに切り分けます。
この身を酢漬けにする前の下処理として、塩をまぶしてキッチンペーパーにくるみ1時間ほど寝かせてください(塩水に漬け込むでも可)。これでかなり臭みを軽減できます。

寝かせた身はきれいに水(または酢)で洗って塩を落とし、水気をしっかりふき取ります。
そしていよいよ酢に漬け込むのですが、ただの酢に漬け込むだけでは無く
1、生姜
2、鷹の爪
3、スライス生ニンニク重要
を入れて漬け込むと臭みは一切無くなり、パンチの効いたおつまみにもご飯のお供にも最適なオリジナル酢漬けが完成します。
漬け込む時間は人それぞれですが、半日1日くらいで十分だと思います。2日以上漬けてもそれはそれで美味しいので、漬け込む時間を変えて味の変化を楽しむのも一興です。

実食!

嫌われる要因となったいたる所に入っていた小骨は、酢漬けにしたことによりそのまま食べても全く気にならないほど柔らかくなりました。
肉厚に切ったので食感は弾力が程よく残っており、噛めば噛むほどに濃厚な旨味が溢れてきました。また、今回のコノシロはけっこうサイズが良かったので、コハダには無い甘味のある脂がしっかり乗っており、ニンニク・酢との相性も抜群でとても美味しかったです。
下処理をしっかりしたので臭みは一切ありませんでしたよ!

魚の便利帳記入

みなさんおなじみ魚の便利帳

では14種類目を記入致します。※魚の便利帳300種全部食べようという設定です 。

では次回、「お魚日本酒会~美味しいアラ汁を求めて~」の記事を書きますのでよろしければそちらもご覧ください~!

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