スズキ・ヒラスズキの『味・値段・旬』の違い ~違いは住む場所の差?~

食べ比べ

どうもコウヅです。

今回は誰もが人生で一度は気になったであろう。『スズキとヒラスズキの違い』です。

それぞれの見分け方はもちろん旬・味・値段の違い、また生息場所学術的比較まで行ったので

この記事を読めば誰でも 【スズキ・ヒラスズキの違いマスター】になれます。(ネーミングセンス…)

最後まで楽しんで読んでいただければ幸いです!

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スズキ・ヒラスズキの見分け方

まずは比較写真。どっちがどっちか分かりますか??

正解は上がスズキ下がヒラスズキです。

色の違い

スズキとヒラスズキは比較するとけっこう色が違うんです。

スズキの方はゴールドに近い色合いをしていて、ヒラスズキはきれいな銀色をしています。

ヒラスズキはだいたいどれも写真と同様の色をしているのですが、スズキは湾内でとれるか沖合でとれるかによってかなり色が変わります。

やっかいな事に沖合でとれたスズキはヒラスズキのようにきれいな銀色のものが多いのです。

なので色だけで見分けるのは少々難しいでしょう。

シルエットの違い

スズキは顔から体にかけてシャープな流線形のシルエットをしていますが、ヒラスズキは顔に比べて体が大きく発達しています。顔に対して体の幅が大きいことを「体高がある」といいます。

ちなみにこの2匹のサイズはほとんど変わらないのですが、スズキは1.2kgヒラスズキは1.8kgと体が大きい分ヒラスズキはの方がかなり重さがあります

しかしこの比較方法も並べるとわかりやすいですが、どうしても個体差がでてしまうので太っているスズキはヒラスズキに見えなくもないし、痩せているヒラスズキはスズキに見えなくもないです…。

簡単かつ確実!見分け方の裏技

ここまで読んで、「なんだよ、結局個体差があるからって言い訳ばっかで確実な見分け方は無ぇのかよ。」と思っている口の悪いあなた。(決めつけは良くない)

おまたせしました。さっきググったら個体差無く見分けれる方法が見つかりましたよ(!?)

それは『下アゴのウロコの有無』です。

ヒラスズキの下アゴには下の画像のような位置にウロコが生えているのですが、スズキの下アゴには一切ウロコが生えていないのです。

出典:THE SEABASS TIMES

この特徴は個体差が無く、しかも結構分かりやすい!

これだけ知ってればもう楽勝で見分けられますよね。「最初からこれ紹介しろよ」とか言わないでください。ぐうの音も出ないんで。

スズキ・ヒラスズキの生息場所の違い

スズキとヒラスズキは地域的にも獲れる場所(沿岸or沖合)的にもけっこう違いがあるんですよ。

温度の違い

スズキは沖縄を除いて、日本全国に幅広く生息しています。昔は北海道にはいないとされていたようですが、今では北海道南部でもちらほら見かけるようです。温暖化の影響ですかねぇ。

一方ヒラスズキはスズキに比べて温暖な気候を好みます。なので北海道はおろか、東北でもほとんど見かけることはありません。

逆に九州、四国南部、和歌山などに生息していることが多く、関東ではかなり希少な魚として知られていますが、西日本ではそれなりにメジャーな魚なようです。

関東では南房総に生息しており、関東在住でヒラスズキを釣りたい方は鴨川港に行ってみてください!港と磯場が直結しているので、険しい山を登らなくても磯場に行きやすく、さらにトイレも近いのでとても便利ですよ!

水質の違い

スズキは海水でも淡水でも生きられる魚で、河口から10km以上も遡った「川」で釣れることも珍しくありません。

また水質が汚い所でも平気な魚なので、温かい工場排水が流れている汚い海域に集まっていることも多いです。

一方ヒラスズキはほぼ海水域にしか生息しておらず、きれいな海にいることが多いです。

また、荒磯の王者との異名がつくように流れの早い磯場にいることが多く、流れの少ない穏やかな湾内などではあまりみかけません。

そういった特徴からスズキは臭いのも存在しますが、ヒラスズキはほとんど臭いのあるものは存在しません

回遊の違い

スズキは流れの少ない場所に「居付く」ことが多く、あまり大規模に回遊することはありません。

同じ湾内でずっと過ごすので、その湾の水質によっては「刺身では無理」なものもいます。

一方意外なことにヒラスズキはかなり大規模な回遊を行う魚なのです。

過去の実験では千葉から三重まで泳いでいたものもおり、もはや回遊魚レベルの行動力を持ち合わせております。

ヒラスズキの捕食方法が「荒波の中で待ち伏せ作戦」なので、あまり動かない引きこもり根暗体質かと思っていたので、ちょっと見直しましたね。(なぞに上から)

スズキ・ヒラスズキの旬・味の違い

旬の違い

実はスズキとヒラスズキの旬は全く異なるのです。

スズキの旬は梅雨時期~真夏にかけてで、ヒラスズキの旬は晩秋~真冬です。

つまり夏場買うべきはスズキで、冬場はちょっと高いけどヒラスズキを買うことをおススメします。

味の違い

スズキ・ヒラスズキ共に白身魚ではありますが、味わいは結構違います

身の色が全然違う!

スズキは脂肪分の少ない淡白な白身です。河口域でとれたものでなければ、臭みやクセは少なくどんな料理にでも合います。

刺身で食べると食感は比較的柔らかく、旨味や甘味を程よく感じられる。しかし、刺身より焼いたり煮たり調理した方が美味しく食べれらると思いました。

一方ヒラスズキは冬場が旬と言うだけあり脂の乗りも良く、淡白でありながら奥深い味わいがあります。ほぼすべての個体において臭みやクセは無く、ちょっといい香りがする(気のせい?)くらいでした。

刺身で食べると食感は非常に硬く、厚めに切るとアゴが疲れるほど。そして噛めば嚙むほど上品な旨味があふれ出てきて、後味に残る甘味がもう一切れをそそります。

焼いたり煮たりしても美味しいのですが、ヒラスズキは刺身で味わっていただきたいです。できるだけ薄く切ることをおすすめします。

スズキ・ヒラスズキの値段の違い

スズキは決して安い魚ではありません。時期と大きさによっては高級魚にもなり得る魚です。

しかし、ヒラスズキはそんなスズキを遥かに超える超高級魚。一般的なスーパーではあまりお目にかかれず、高級デパートや料亭で出されるような食材です。

今回買ったスズキは市場価格で1匹750円(1.2kg)

そしてヒラスズキは市場価格で1匹3100円(1.8kg)

ちなみにこの値段はめちゃめちゃ安くて、通販サイトとかだと同じサイズのスズキは1匹2500円ヒラスズキは1匹7000円を超えてきます。

鮮魚を買うならやはり市場に限ります

スズキ・ヒラスズキの学術的違い

それぞれの学術的分類

スズキの学術的分類は

スズキ目→スズキ亜目→スズキ科→スズキ属です

ではヒラスズキの学術的分類はというと…

スズキ目→スズキ亜目→スズキ科→スズキ属です。。。

そう。学術的分類は全く同じなんです。スズキ属はこの他に「タイリクスズキ」というスズキにそっくりで背中に斑点のあるやつがいます。

属が同じっていうのがどれくらいの差かというのは、、、ブリとカンパチの違いくらい。動物で言うならチンパンジーとボノボくらいの差です。

例えが分かりやすいか分かりにくいか分からないですけど(笑) まぁこれ以上分けることはできない分類なのでかなり近い種だと言えるでしょう。

ヒラスズキ爆誕

そもそも少し前まではスズキとヒラスズキは同種とみなされており、スズキ科の生物は1種類しかいませんでした。

しかし、漁業関係者の間では値段が高いスズキと安いスズキを分けて扱っており、それらのスズキを研究者が調べたところ別種であることが判明し、高い方のスズキを「ヒラスズキ」と命名したそうです

どちらも出世魚?

スズキは大きくなると名前が変化するいわゆる「出世魚」であり、小さい順にセイゴ→フッコ→スズキとなります。(地方性あり)

ではヒラスズキはどうなのでしょうか…

残念ながらヒラスズキは名前の変わる出世魚ではないようです。ヒラスズキに出世の道は歩めないのかと嘆いていると…

「ヒラスズキはエリートまっしぐらですからね。出世する必要がないんですよ。」「ヒラスズキは産まれた時、すでにヒラスズキだった。」とそもそも格が違うので出世とは無縁との意見が出回っていたので、上級国民は生まれながらにして偉いという世の無情な格差を見せつけられた気がしました。(なんのこっちゃ。)

スズキ・ヒラスズキの釣り人的比較

スズキはシーバスとも呼ばれ、釣り人にとっては身近にいる最高のターゲット。

ヒラスズキは荒磯の王者とも呼ばれ、釣り人にとっては憧れの魚

この2種類は体の構造上異なるファイト(引き)をします。

ヒラスズキの引き

ヒラスズキは高い波が頻繁にぶつかるような磯に生息していることが多いです。そして波のぶつかりによってできる白波(サラシ)の中に身を潜めて、そこに流れてきた獲物を捕食します。

そのような流れの早い荒磯で泳いでいけるように発達したヒラスズキはその「体高の高さ、太い尾びれの付け根」を見てもわかるように、スズキよりも明らかに引きが強いです。

これは食感の違いにも表れており、スズキよりヒラスズキの方が圧倒的に筋肉質なので身の弾力が全然違います。

さすがは荒磯の王者。マッチョなんですねぇ。釣り人としては死ぬまでに一度は釣りあげたい。

スズキの引き

スズキを釣ったことがある人は体験したことがあるかと思いますが、スズキという魚はよくジャンプをします。

ルアーを加えたスズキは必死に抵抗する際にエラを大きく広げ頭を左右に振りながら海面から飛び出します。

この行動をいわゆる「エラ洗い」というのですが、スズキ釣りの醍醐味はここにあるといっても過言ではありません。

引きの強さこそヒラスズキには負けますが、この迫力のファイトをしてくれるスズキはやはり釣り人にとって最高のターゲットだと言えるでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

少しでも「スズキとヒラスズキの違いが分かったよ」と思っていただければ幸いです。

このブログでは他にも色々な魚の比較旬・栄養素さばき方いつ役に立つか分からない魚の豆知識などを載せていますので、面白そうな記事があればぜひご覧ください~!

記事を書いている人
kozu@soichiro

魚好き。見るのも釣るのも捌くのも食べるのも。
色んな珍しい魚を食べていると突然「魚好きを増やしたい」と思い立ち、ブログや魚会を開き密かに活動中。
師匠は「気まぐれクックかねこさん」(ただの視聴者です)
みんな、魚たべよ!

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