どうもコウヅです。
今回はマアジについて書いていこうと思います。
マアジの豆知識
アジにもたくさん種類はありますが、マアジは日本で最も食べられているあのアジです。
「アジのことはさすがに知ってるよ~」って方が大半だと思いますが、メジャー過ぎて逆に詳しく調べた事は無いと思います(偏見)。
なので今回は大衆魚であるマアジについて深堀りして、知られざる側面を暴いていこうと思います(言ってみたかっただけ)
別名ノドグロ!?
マアジは基本的に季節によって住む場所を変える季節回遊をする魚です。春から夏にかけては日本列島より北まで北上し、秋から冬にかけては伊豆半島より南まで南下します。その移動距離はなんと約6000kmとも言われています。
しかし人間にも色々な性格の人がいるように、マアジにも色んな性格のやつがいて中には怠け者集団もいるようです。そのマアジ達は大規模な回遊をせず、ずっと同じ海に定着しているのです。前者のマアジを「回遊型」と呼び、後者のマアジを「居つき型」と呼びます。
前置きが長くなりましたが、この「回遊型」のマアジを「ノドグロ」と呼ぶらしいです。理由としては「回遊型」のマアジは全体的に体色が黒っぽく、大型になると口の中が真っ黒になるからだそうです。
一方「居つき型」は全体的に黄色がかった色をしており、体高(頭に対しての体の縦幅)が高く「キアジ」と呼ばれています。この違いは生物学的に色々な観点から調べられたようなのですが種類分けするほどの違いが無いらしく、同じマアジで性格の違うやつくらいの差のようです。
ですが、これだけ生活が違うのでもちろん身質には大きな影響を与えており、キアジの方が断然美味しく市場価値も高いです。
まぁあんまり動かずに浅瀬の餌が多い所に住んでたら脂の乗りも良くなりますよね(笑)怠け者の方が市場価値が高いという人間の世界観で考えるとちょっと理不尽な世界をマアジ達は生きているんですねぇ。(何言ってんだコイツ)
ちなみに錦織選手で有名なあの「ノドグロ」は正式名称「アカムツ」という魚で、もちろん回遊型マアジとは全くもって関係ありません。
魚も食べるし食べられる
マアジはスーパーなどで見かける際小型のものが多く、また釣りをする人はサビキなどでよく釣れる為イワシと同様にプランクトンのみを食べている魚だと思われがちですが、実はフィッシュイーター(魚を食べる魚)でもあるんです。
もちろんサビキで釣れることから小さいマアジはオキアミなどの動物性プランクトンを食べるのですが、大きくなるとブリやカンパチ同様に小魚やイカなどを捕食するようになるのです。
その為大型のマアジを狙うのであればプランクトンに似せたサビキでは無く小魚に似せたルアー釣りの方が効果的なのです。
ただし生き餌釣りなどをしたことがある人は分かると思いますが、アジは色々な魚の捕食対象にもなります。生命力が強くよく泳ぐので餌としてもとても優秀です。
マアジは食物連鎖の広い位置に分布する中間管理職のような立ち位置だと考えてもらえればわかりやすいと思います。(わかり…やすい?)
安定しない漁獲量
マアジはいつでもスーパーに並んでいる安くて美味しい魚というイメージが強いですが、実はけっこう漁獲量が不安定な魚なんです。
1980年代には50万トン以上の漁獲量から一気に5万トンまで落ち込んだことがあるのです。その時は「マアジは大衆魚から高級魚へと変わってしまった」と言われていたそうですが、90年代には再び漁獲量が増えて30万トンほど水揚げされています。
ちなみに現在は12~13万トンの水揚げ量で徐々に減少しているようです。マアジが高級魚になる日もそう遠くないのかもしれませんねぇ。
なんでアジって名前なの?
アジの名前の由来は単純に「味がいいから」と思ってませんか?僕も思っていました。もちろんその説も有力なんですが、他にも色々な説があるようなのでちょっとだけ紹介します。
そもそも味がいいからアジになったのなら魚編に味と書いてもよさそうなものですけど、アジの漢字は魚編に参るですもんね。この参るに至った理由を探せばアジの本当の由来にたどり着けるかもしれない!と思って調べたところ「おいしくて参ってしまうから」という説を発見しました。
美味しくても別に参んないでしょ…美味しかったら驚いたとか舞い上がったとか感動したとかで色々あると思うんですけど、たまたまアジを命名した人が参っちゃったから鯵になったんでしょうね。
まぁ他にも参が使われた理由としてはアジの美味しい季節が旧暦で3月なので参が使われた説や参という漢字には「多くのものが混じる」という意味があり、アジが大きな群れで行動する魚であることから参が使われた説などがあるようですが、「美味しくて参っちゃった」説が一番ツッコミどころ多くて面白いので僕はこの説を信じようと思います。
旬と栄養素
旬はほぼ無いに等しい魚だと言われています。その理由の一つとして、旬は産卵期と密接に関わっているのですがマアジの産卵期は海域によってかなりのバラつきがあり、ほぼ通年どこかしらで産卵が行われているからです。なので一概にマアジの旬はいつとは言えないのです。しかし海域毎に産卵期は決まっており、例えば関東沿岸部では初夏から夏にかけてが産卵期なので旬は産卵期前の4月~7月頃と言えるでしょう。関東を旬の基準にすると他の地域に怒られそうではあるのですが、全国的にも流通量が多くなるのがこの時期なので旬は4月~7月考えて良いと思います。
栄養素としての特徴は、マアジは青魚のわりに脂質が低くタンパク質量が多いという点です。
イワシ、サバ、サンマなど他の青魚に比べてマアジの脂質量は約4分の1以下であり、少し前に同じような特徴で紹介したカンパチよりも脂質は低いです。また、マアジのタンパク質量は魚類の中でもトップクラスに高い100gあたり20.7gです。マアジのタンパク質にはグリシン、グルタミン酸、アラニンなどの様々なアミノ酸が多く含まれており、旨味成分の宝庫であるため人々を引き付ける濃厚でしっかりとした美味しさを感じるのである。
そのアミノ酸の中でも今回はアラニンに的を絞って効能を書いてみます。
アラニンは筋肉や内臓の材料となるアミノ酸の一つです。脳が飢餓状態を感じると筋肉や骨を分解してエネルギーを作るのですが、その過程に生成されるアミノ酸でもあるのでアラニンをあらかじめ摂っておくと長時間の運動でも筋肉や骨が分解されるのを防ぐことができます。
また、二日酔い対策にも効果があります。アラニンは二日酔いの原因となるアセトアルデヒドという物質の分解を促進する作用があるため、二日酔いによる気持ち悪さや頭痛などを和らげることができます。お酒に合うアジのナメロウがそのまま二日酔い対策になるのであれば、これは食べない手はないですよね!
捌き工程
※一応断っておきますが、僕はめちゃめちゃ素人なので「捌き方教えます」という感じでは無く、「YouTubeを駆使して捌き方を見様見真似でやってみたらこんな感じになりました」という体験記的なものという認識で読み進めてもらえると幸いです。(ホントに上手くなるまでこれ毎回書こう。)
今回は姿造りに挑戦してみようと思います。
①まずはゼイゴを取ります。
アジには他の魚に無い特徴としてゼイゴという固い骨のようなものが体表にあります。
尻尾の方からゼイゴと身の間に包丁を入れ、ゼイゴを剝き取ります。この時少し身も取れてしまうかもしれませんがそれは仕方ないので気にしないで下さい。
② 次にウロコを取ります。
アジにはウロコが無いと思われがちですが、ちょっとだけウロコ付いてます。
背中側に付いていることが多いのでさっと包丁で逆撫でして取っていきましょう。
③内臓を取り出す。
いつもなら頭を落とすと同時に内臓を取り出すのですが、今回は姿造りなので頭はくっつけたままお腹を割って内臓を取り出します。
肛門から(小さく穴が開いているので見れば分かるはず)頭側に包丁を入れて頭の付け根くらいまで割きます。
割いた部分から手を入れて内臓を取り出します。
※内臓映さない主義(肝以外)なのでこの部分の写真はありません。
④ 三枚おろし(頭付き版)
まずは背びれと尾びれのちょっと内側あたりの皮を切って包丁を入れるガイドラインを作ります。
ガイドラインを入れた所から包丁をまな板と並行より少し立てる感じで切っていきます。この時中骨に当たってカリカリ音がしているとかなり上手に卸せています。 あまり包丁を立てすぎると中骨の反対側を切ってしまうので、ちょっと身が残るかなと思っても最初の内はなるべく平行に近い形で卸すのが良いと思います。
姿造りの場合はカマ(胸鰭の直前)の部分で縦に切れ目を入れます。この時中骨を切断してしまうと頭が取れてしまうので、中骨に当たった感覚があればそこで力を緩めてゆっくり包丁を横にスライドさせてください。
半身がおろし終えると、逆側も同じようにしておろしていきます 。片身おろしている分厚みが無いので、手がまな板に当たってやりにくい!と感じる方もいらっしゃると思います。そういった場合はまな板の端っこに身を置いておろすとまな板の厚み分、身が浮いている状態になるのでおろしやすいですよ!
特に頭付の場合は頭の部分をまな板の外側に引っ掛けておくと身が平行になるのでかなりおススメのおろし方です。
これで三枚おろしは完成です。
⑤ 続いて腹骨を剝いていきます。
腹骨を剝くときは一旦腹骨と血合い骨の接合部を断ち切っていかなければなりません。(ちょっとだけ力入れます。)
接合部を断ち切ったら、腹骨に沿ってできるだけ薄ーく身から腹骨を剝き取ります。多分ここが魚をおろす工程で一番難しいです。ハラミが薄かったり骨がかなり入り込んでる場合は思い切って切り取っちゃってもいいと思います。
⑤次は血合い骨を除去していきます。
今回は姿造りの盛り付けの際身を割りたくなかったので、ピンセットで血合い骨を一つ一つ抜いていきます。
下図のオレンジラインで囲んだ所に血合い骨が入っています。指で触ったらすぐわかるので指で確認しつつ丁寧に抜いていきましょう。
血合い骨を除去すると、全く骨の入っていない身が完成しました。この状態を「柵」と言います。
⑥次に皮を引いていきます。
皮引きの際は端から2cmくらいに皮を切断しない程度の切れ込みを入れます。
そのまま刃を身のたくさん残っている方に向け、包丁をまな板とほぼ平行に傾けて皮から身を剥がすように削いでいきます。この時、包丁を滑らすと同時に端から2cmの部分をもって包丁の刃と反対方向に引っ張ると上手く皮を引くことができます!
まぁアジの場合は手で剥いでも綺麗に剥がせますけどね!
皮と身の間には旨味のある脂がたくさんあるので上手くなったらギリギリを責めるとおいしいお刺身が作れます。目安としては銀色の部分がたくさん残っていると上手く引けたと思っています。(魚による)
後は刺身状に切って盛り付ければ完成です。
姿造りの盛り付け知識が無さ過ぎてこんな感じになってしまいました…。
センス無さ過ぎですね(笑) 心なしかアジもふてくされてる顔に見えてきました。
後半身を炙りナメロウにしました!おいしかったけど見た目悪い
実食!
マアジはみなさんご存知の通り文句なく美味しいです。今更その味を文章で表現するのも難しいのですが、やはり青魚としての旨味がかなり強いです。魚本来の味がしっかりしており、それでいてクセが少ないのが万人受けする理由なのではないかと思います。また醤油・塩・味噌など、どの調味料と合わせても美味しさが引き立つというのもアジの特徴の一つですね。安い、旨い、臭くない、傷みにくいとアジは他に類を見ないほど食材として優秀だと改めて思いました。
魚の便利帳記入
では18種類目を記入致します。※魚の便利帳300種全部食べようという設定です 。
では次回、比較的人気シリーズ~似ている魚の比較~アカハタとキハタ食べ比べてみたです。
よろしければそちらもご覧ください~!
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