どうも、コウヅです。
今回は人間の血のような真っ赤な液体を出すちょっとショッキングな貝「赤貝」について書いていこうと思います。
赤貝自体は100円寿司などでも提供されているので「食べた事あるよ」って方も多いかと思います。
しかし自分で赤貝を捌いたことある人はあんまりいないのでは無いでしょうか。
初めて捌いた時はけっこう衝撃でしたよ(笑) 貝開けたら赤い液体が溢れ出てきますから…
魚なら慣れてるんですけどねぇ。貝だとなぜか一気にグロさが増します。なぜか。
赤貝とは
赤貝は俗称ではなく正式名称も「アカガイ」です。
貝の特徴としては、ホタテやアサリなどに比べてかなり厚みがあり丸っこいです。
貝幅が最大12cm程に対して厚みが9cmもあります。
そしてなぜか貝殻全体が茶色い毛で覆われています。この時点でなんか不気味ですよね。
水管が短いので比較的浅瀬に生息している為、けっこう簡単に採れるみたいです。
東京湾でも盛んに採れていたので、江戸前寿司にはなくてはならない寿司ネタとなっていました。
しかし、乱獲や埋め立てによる影響で漁獲量が激減し、今流通している赤貝の多くは輸入に頼っているようです。
国産のものは特に美味しいらしいですが、もはや庶民には手が届かない食材になってしまっています。
まぁきっと輸入物であろう100円寿司の赤貝(失礼)でも十分に美味しいのでいいんですけどね。。。負け惜しみとかじゃないですよ金持ちさん!
赤い液体の正体
赤貝から出てくるあの赤い液体の正体は…
やはり貝の血液だそうです。
赤貝の血液には哺乳類と同じヘモグロビンが多く含まれており、なんと人間の血液中のものとほぼ同じ成分だそうです!
そのヘモグロビンが鉄と結合して真っ赤に見えるのです。なので、赤貝は貝類の中でも特に鉄分を多く含んでいます。
貧血気味で、「肉類や魚は苦手だけど貝なら、、、私、貝なら食べれるわ!!」という方にはおすすめの食材です。
ちなみにヘモグロビンを持っているのは貝類では赤貝の仲間だけです。
毛生えてたり血が赤かったり、色々と貝らしからぬ貝ですよね。
もしかしたらすごい昔は動物だったけど地上で暮らすのに疲れ、「私は貝になりたい。」とか言って段々貝に進化していった生物なんじゃないかなぁとか妄想はかどりますよね。(僕だけかな)
缶詰の赤貝はニセモノ??
赤貝の缶詰として売られているものは基本的にはこの記事で紹介している赤貝ではありません。
見た目や味は赤貝にそっくりですが、赤貝よりも小型で安価な「サルボウガイ」という貝が主に使われています。
しかしこれにはちゃんと理由があるのです。赤貝は高価なので缶詰として売るのは勿体ないというのもありますが、赤貝は煮すぎると固くなってしまうのに対しサルボウガイは煮すぎても固くなりません。
つまりサルボウガイの方が赤貝よりも缶詰としては向いているということなんです。
なので企業がみなさんを騙そうとしている訳では無く、きっと美味しさを追求した故の選択です(恐らく「サルボウガイの缶詰」として売っても知名度低すぎて誰も買わないから。)
まぁ安くて美味しければ本物の赤貝かどうかなんて気にしませんけどね(笑)
旬と栄養素
赤貝の旬
赤貝の旬は主に晩秋から春です。晩春になると産卵の為に卵や精巣に栄養を使うので身が痩せて味も落ちてきます。
そこから産卵後の晩夏まで身の痩せた状態が続き、秋頃になるとそれが回復してきて晩秋には身の詰まった美味しい旬の赤貝になるのです。
赤貝の栄養素
赤貝の栄養素として特徴的なのは、上記でも説明しましたが鉄分を多く含む点です。
鉄分は不足すると「冷え性・疲れやすい・めまいがする」などと言った症状を引き起こしてしまいます。
偏食している方、無理なダイエットをしている方、必要な鉄分が増える妊婦さんなどは鉄分が不足して起こる鉄欠乏性貧血になりやすいので、是非積極的に赤貝を食べていきましょう。
また赤貝は鉄の吸収力を高めるタンパク質も多く含んでおり、その上低脂質・低カロリーなので「貧血気味なダイエット中の若い女性」にはぴったりの食材ですね!
赤貝の捌き方
①貝柱をはずす
まずは貝柱をはずします。赤貝の貝柱は2か所あります。
メインの貝柱は「ここと」と書いている方で、そっちから断ち切って下さい。
赤貝は左右非対称なので、正面を向けた時に貝の縦幅が短い方にメインの貝柱が入っています。
貝柱をキレイに断ち切る時のコツは薄いナイフを使って、できるだけ貝殻に沿って貝殻をなぞるようにナイフを入れる事です。
この時貝の一番縁側にある貝ひもを断ち切らないよう意識しましょう。
片方の貝柱が切れたらもう片方も同じように切っていきます。
貝柱を2か所とも断ち切れたら貝を開きましょう。
厚みがある貝はキレイに貝柱切るの難しいですねぇ…
下側の貝柱も同様に断ち切りましょう。
そして貝殻から身を取り出します。
②部位を分ける。
この状態になったら身の本体である「玉」と「ヒモと生殖巣」を分けます。
まず玉と生殖層の間に包丁で切れ込みを入れます。
少し切れ込みが入ったら生殖層を包丁で抑えながら玉を引っ張ると簡単に分離できます。
そして最後にヒモを包丁で断ち切れば部位を分けられます。
生殖層は基本食べられませんので、ここでお役御免。
③内臓を取っていく
次はメインの玉部分を開いて中の内臓を取っていきます。
玉のオレンジ色じゃない方から包丁を入れ、完全に断ち切るのではなくオレンジ部分はつながった状態で「開く」ことを意識してください。
開いたらこんな感じ
裏側向けて濃い緑色の部分(内臓)を包丁で丁寧に切り取って下さい。
内臓をキレイに取り終わったらこんな感じになります。
この状態になればもうそのまま食べられるので、飾り切りして盛り付けます。
実食
赤貝は固すぎずやわすぎずほどよい食感で、口に入れた瞬間から甘さが広がります。
噛めば噛むほどに強い甘味が口の中に溢れてきてずっと噛んでいたい貝です。食感・味共にホッキ貝に近いような気がします。
ですがホッキ貝よりクセが少なく貝が苦手な人にもおすすめです。
寄生虫…?
そういえば一つだけ貝殻の中に変な寄生虫の住処みたいなのがあったんですよ。
石灰化しているうねうねした住処みたいなところに出入りできる穴のような部分が1か所あり、どう見ても細長い寄生虫が住んでいるような感じでした。
中身の貝もちょっと他のと比べて少し痩せており変色してました。
寄生虫本体は見つからず、また人体に害のあるものなのかは分からなかったのですが、とりあえず怖いので食べるのは断念しました。
これが何か分かる人がいらっしゃいましたら教えてください!
魚の便利帳記入
では23種類目を記入致します。※魚の便利帳300種全部食べようという設定です 。
次回は「セコガ二/メガニ/香箱ガニ ズワイガニのメスを喰う ~内子・外子・食べれる期間~」です。お楽しみに~
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