真鯛~旬や栄養素と捌き工程~

魚の便利帳食べつくす

どうも、コウヅです。 
今回は真鯛について書いていこうと思います。
この魚たべよブログ、7記事目にしてようやく魚が登場いたしました。

真鯛の豆知識

真鯛は日本に住む方(無駄にグローバル志向)なら一度は見たことある魚だと思いますが、実は奄美や沖縄本島には生息していないんです!水温の問題なのかなと思い、真鯛の分布を調べてみたところ日本海、瀬戸内海、東シナ海、南シナ海に生息するようなので、なぜ沖縄にいないかは結構謎ですね。

しかし沖縄でも真鯛の養殖をしている所があるようなので水温が合わない説は消えました!となると食べ物問題ですかね?今度詳しい人に聞いて更新しますね。


真鯛の全長は大きいものだと1メーターを越え、なんと20年以上も生きる個体もいるそうです。「えびで鯛を釣る」ということわざもあるようにエビも鯛の好物の一つですが、頑丈で強靭な顎と歯を持っているので甲殻類・貝類などもかみ砕いて食べる意外と獰猛な肉食魚なんです。

旬と栄養素

旬は主に春で、特に3~4月頃は産卵の為に脂肪分や栄養を蓄えており、身に脂がたっぷり乗った最も美味しい鯛が食べられます。この時期の産卵を控えた鯛の事を桜鯛と呼び、ピンク色のとても美しい体色をしています。まぁ百聞は一見に如かずという事で

影とか入って写真が雑なのは許してください。
めっちゃきれいですよね~

栄養素として、真鯛はアミノ酸の中でも旨味がとても強いイノシン酸を多く含んでいます。 イノシン酸には細胞を活性化させ、新陳代謝を促す効果があるので肌がきれいになったり体脂肪減少によるダイエット効果があったりします。このイノシン酸は死亡直後から増え始め時間が経過するに従って分解されていくのですが、真鯛のイノシン酸は分解速度が他の魚に比べて遅いので、死後時間が経ってもずっと旨味成分が残っているのです。

こういった性質によって時間が経過しても美味しいということに由来して「腐っても鯛」という言葉が誕生したと言われています。


また、真鯛の白身の魚なので赤身に比べて高タンパク低脂質でビタミンをバランスよく含んでいると言った特徴を持っています。さらにアレルギーの原因になる成分のヒスチジンが少なく脂肪分も少なめなので、消化吸収力が弱く、免疫力が低い乳幼児の食事にも向いています。風邪をひいている時なんかもいいかもしれませんね!

(春の真鯛は脂肪分多めなので例外)
魚の健康効果で有名なDHAEPAなどの不飽和脂肪酸もたくさん含まれており、春の真鯛や養殖真鯛などの脂肪分多めの真鯛ではマグロのトロと同じくらいのDHAを含んでいるのです!健康意識の高い皆さんならご存知かもしれませんが、DHAには血液中のコレステロールや中性脂肪を減少させ血液の循環を良くし、また血液凝固を防ぎ血栓ができにくくするので、動脈硬化・心臓病・がんの予防に効果があります。

また所説あるようですが脳の機能を活性化させ、頭の回転が早くなったり認知症予防にも効果があると言われています。ある研究では乳幼児にDHAを摂取させると言語能力の発達に向上が認められたとの報告があったようです。真鯛ってけっこう乳幼児の食事には理想的な食材なんですね。

白子の話

真鯛は産卵期の時期にだけ白子が入っていることがあります!この白子が絶品らしく、タラの白子の上位互換であの超高級食材フグの白子に匹敵する味だという噂を聞いたので、これは是非とも食べてみたいと思い真鯛を一尾丸々買ってみました。もちろん白子=精巣なので雄の真鯛でなければ白子は入っていません。真鯛は雌雄同体の生物なので生まれたては雄の機能も雌の機能も備わっています。そして2歳くらいで多く個体が雄へと性転換し、成熟(普段食べるくらいのサイズ)するとその内半数程度が雌になり、結果として雄雌半数ずつくらいになるそうです。つまりこの時期鮮魚店に並ぶ鯛には2分の1の確率で白子が入っているはず。


どうしても白子が食べたい僕はとりあえず「白子が入ってそうなタイはどれですか。」と鮮魚店のおじさんに聞いたところ、「そればっかりは開けてみないと分からない」と言われてしまいました。仕方がないので何となく雄っぽいのを選んでお腹を開けてみたところ…






見事に外れでした。とても悔しいので次はしっかり見分け方を調べて選別してみます!ちなみに選んだ鯛はこれです。

一番雄っぽいでしょ?

捌き工程

※一応断っておきますが、僕はめちゃめちゃ素人なので「捌き方教えます」という感じでは無く、「YouTubeを駆使して捌き方を見様見真似でやってみたらこんな感じになりました」という体験記的なものという認識で読み進めてもらえると幸いです。(ホントに上手くなるまでこれ毎回書こう。)

まず鱗を取ってエラと内臓を抜くのですが…今回は魚屋さんにその工程までやってもらいました(怠惰)

続いて胴体と頭を切り離します。この時頭側の骨が固くてなかなか切断できない場合があります。そういった場合は骨の関節部分を探ってそこから切断するとやりやすいです。

そしていよいよ三枚おろしです。まずは背びれと尻びれのちょっと内側あたりの皮を切って包丁を入れるガイドラインを作ります。

背中側見にくくて申し訳ない…

ガイドライを入れた所から包丁をまな板と並行よりちょっと立てる感じで切っていきます。この時中骨に当たってカリカリ音がしているとかなり上手に卸せています。

僕は自分に甘いので上出来です笑

半身おろしただけで包丁が脂でベットリでした!さすが桜鯛

半身がおろし終えると、逆側も同じようにしておろしていきます。

これで三枚おろしは完成です。
続いて腹骨を剝いていきます。腹骨を剝くときは一旦腹骨と血合い骨の接合部を断ち切っていかなければなりません。

接合部を断ち切ったら、腹骨に沿ってできるだけ薄ーく身から腹骨を剝き取ります。多分ここが魚をおろす工程で一番むつかしいです。ハラミが薄かったり骨がかなり入り込んでる場合は思い切って切り取っちゃってもいいと思います。

…。

めっちゃ身減ってるじゃんとか言わないで下さい
気を取り直して。次は血合い骨を除去していきます。骨抜きのピンセットなどで一つ一つ抜いていくのもありなのですが、めんどうなの今回は身を割って取り除いていきます

ラクガキした辺りに血合い骨が縦にたくさん入っているのでその骨の部分だけを取り除く事を意識して包丁を入れていきます。

真ん中が血合い骨の入った身

上の画像のように真ん中の血合い骨だけを切り取りました。
すると全く骨の入っていない身が完成しました。この状態の身を「」と言います。
次に皮を引いていきます。皮引きは柵の端から2cmくらいの部分に皮を切断しない程度の切れ込みを入れます。

そのまま刃を身のたくさん残っている方に向け、包丁をまな板とほぼ平行に傾けて皮から身を剥がすように削いでいきます。この時、包丁を滑らすと同時に端から2cmの部分をもって包丁の刃と反対方向に引っ張ると上手くいきます!

皮を引いた後の身がこんな感じです。皮と身の間には旨味のある脂がたくさんあるので上手くなったらギリギリを責めるとおいしいお刺身が作れます。目安としては銀色の部分がたくさん残っていると上手く引けたと思っています。
ここまで来れば後は切って盛り付ければ完成です。

旨そうなテカリ

実食!

サイズは30~35くらいのちょっと小ぶりの真鯛でしたが、脂はしっかりのっていてハラミを切ったときは包丁が脂でベットリでした。


きれいな白身で、臭みは一切無く、食べるとしっかりとした旨味とほのかな甘みが口の中に広がってとても美味しかったです。


今回の真鯛は切っている時からあまり弾力が無く、食感は柔らかめで少々ねっとりした感じでした。
目は透き通っていたので鮮度は良いものだと思うのですが、熟成したかのような身質でした。


普通の醤油でも美味しいのですが、九州の甘口醤油もかなりマッチしていて旨味もコクもプラスされ、絶品でした。個人的には真鯛のようなクセの無い白身魚を食べるときには九州の醤油がおすすめです!

魚の便利帳記入


みなさんおなじみ魚の便利帳

では第5種類目を記入致します。※魚の便利帳300種全部食べようという設定です。
記念すべき最初の「」ですからね~笑 きれいな字で記入したいです!

気合入れすぎてめっちゃにじんだ…。やり直し鯛…。
えっと、では、次回ちょっとマニアックな魚の「見た目が似ているホウボウとカナガシラ食べ比べてみた」を書くんでそちらもよろしければご覧ください~!

記事を書いている人

魚好き。見るのも釣るのも捌くのも食べるのも。
色んな珍しい魚を食べていると突然「魚好きを増やしたい」と思い立ち、ブログや魚会を開き密かに活動中。
師匠は「気まぐれクックかねこさん」(ただの視聴者です)
みんな、魚たべよ!

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